向井一規設計士の考察

はじめに

 戦後の住まいづくりは、土地神話にそった土地の取得と、高度経済成長の中での便利な生活を実現することが目的であったと言っても過言ではありません。

 しかしながら、最近住まいづくりに対するニーズが大きく変わりつつあります。バリアフリーやシックハウス対策などの住宅単体の性能向上だけでなく、地域のまちなみとの調和や地域コミュニティとの交流の実現など、地域社会に積極的に貢献することにより自己実現を図ると言う、住まいを取り巻く環境に対するニーズが顕在化してきました。

中村区集合住宅の提案

 名古屋においても、高度経済成長の中で住まいづくりとともに都市の成長は、他の大都市と同様に都市のスプロ-ル化は著しく進んできたと思われる。そして現在も継続されているのが実状である。

 JR中央本線の高蔵寺ニュータウンを始め、名鉄や近鉄線、そして地下鉄の東山線や鶴舞線などの特に東へ延びる電車は、以前からマイホーム主義者の夢を運ぶようになっている。この若い人たちが都心から離れて行く現象を抑え、そして都心の過疎化した寂びれて行く長屋や商店街の街並を生き返らせる住まいづくりの方法を建築(集合住宅)として提案したい。

 今こそ、この一辺倒な傾向を改めるべきであると思う。先に述べたように、住まいづくりに対する考え方は変わりつつある。

魅力ある-名駅 West

 都心と近い利便性は多くの魅力があり、多岐に渡り利用の方法が創造でき、自由度の高い住宅が提案できるものと思われる。沈滞した住環境の再生を目指し、土地付きのマイホームとは違う魅力をもった、この中村の良さである住人の界隈が活かせる集合住宅を造るべきである。この地域としての資源を活かし、現在の住民と協働して住まいづくりからまちづくりへと発展させたい。

職住の接近-融合

 都市から住宅が減少し住まう人々がいなくなると、東京のように生活のない町となってしまい、子供と老人のいない偏った町となる。たとえば、パリの町は必ず商店やオフィスの上には住宅がある。職住が接近し、共に存在しているから町が活きていると思われる。すでに東京では住宅を附随したオフィス等の建築を義務付けている。

計画例

 名駅西地区は、活性化してきた名古屋駅の近くにあり、他に類を見ない恵まれた住環境を計画できる。

計画 メリット
  • 長屋の地区は、低層の集合住宅とし、2階または3階までの住宅にする
  • 敷地を縦割りにされた住まいのあり方による、家族の集合住宅、タウンハウス(低層集合住宅)
  • 定期借地権や容積率の緩和(第一種低層住居専用地域)の利用
  • 戸建て感覚の住まい古くからのまちなみ、住環境を残しながらの計画
  • 緑化計画
  • テラスコートの設置も可能分譲の場合、中古価格が高く維持できるなど
  • 店鋪、オフィス、町工場の上に住宅を配置して、家族、学生アパート、老人向き等、年令、人種の偏りのない人たちが住まえるプログラムとする
  • 層によって住まわれ方が違う混在した集合住宅 戸建ての店舗併用住宅+学生アパートの計画
  • 職住一体の商店街の再開発住宅
  • 現在の住人の生活を維持発展させる住宅など
  • 住宅の一部を多目的なフリースペースとして、SOHO(スモールオフィス.ホームオフィス)と呼ばれる在宅ワーカー向けとした徹底的に差別化した住宅にする
  • 従来型の賃貸に満足しない層をターゲット
  • 設備よりも空間に工夫
  • 住まい手の想像力を喚起する仕掛け

オーダーメード感覚で全住戸変えたインテリアなど名古屋においても、高度経済成長の中で住まいづくりとともに都市の成長は、他の大都市と同様に都市のスプロ-ル化は著しく進んできた。そして現在も継続されているのが実状である。この若い人たちが都心から離れて行く現象を抑え、そして都心の過疎化した寂びれて行く長屋や商店街の街並を生き返らせる住まいづくりの方法を再考すべきである。

アイデア

 名古屋駅西側地区は、戦災からまぬがれ古くは大正、昭和初期からの民家・長屋等が現存している。そして過疎化しつつあるこの地域は、小学校の統合問題等をもかかえており、建築の老化だけでなく、住民の老化現象も問題となっている。いま、現在も残っている地域のコミュニティの交流をはかった心の通いあう住まい・まちづくりを考えて行かねばならない現実がある。

向井一規
向井一規建築設計工房
向井設計士のホームページ

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